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2006.01.05 配信
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サン・マイクロシステムズ(株) エディケーション本部 ビジネスプログラム マネージメントグループ 兼任部長 澁谷 督陽 氏 |
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麻生教育サービス(株) IT教育ビジネス事業部 トレーナーグループ マネージャー サン・マイクロシステムズ 認定トレーナー 高倉 美哉 氏 |
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高倉Javaは私たちの生活のあらゆる分野へと拡がりつつありますが、現在の利用状況や今後の用途の拡がりの予想について教えてください。
澁谷Javaは、現在ではenterpriseと言われる基幹システムのサーバーからパソコンや家電領域、さらには携帯電話やJavaカードと呼ばれるものまで、生活のあらゆる分野に適用領域を拡大しつつあります。朝、携帯電話のメールをチェックし、駅の改札を通り、会社で仕事をする。まさに朝起きてから寝るまでJavaに触れているわけです。そこでわれわれは、「Javaなしで地球は回らない」と表現します。
高倉コンピュータや電化製品のシステムがある限り、Javaは必ず利用されているわけですね。
澁谷そうですね。Javaには、Java EE、Java SE、Java MEという3つの主なプラットフォームがあるのですが、特に組み込み型のMEが携帯電話などの携帯端末を通じて、生活の身近な部分に拡がってくると予想しています。
高倉そうしますと開発に携わるエンジニアもますます必要になってくるわけですが、Javaエンジニアは足りているのでしょうか?
澁谷全く足りないですね。どれくらい不足しているのかというと、われわれの試算では2010年には世界で1000万人のJavaエンジニアが必要になると予測していますが、現状は450万人しかいないので、全く足りないと言えますね。
高倉では、その不足しているJavaエンジニアですが、具体的にはどういうスキルが求められているのでしょうか?
澁谷どこでJavaを使うのか、開発のどの部分に携わるエンジニアなのかによっても異なりますね。まず企業のシステムに関わる部分でJavaを使う場合には、最低限Javaのシステム全体に関する知識が必要になります。また組み込み型のJavaに関しては、現状は携帯電話などのハードウェア側の制限があって、われわれが提示しているフレームワークや指標どおりに作ると、なかなかサイズが小さくて動きが早いプログラムが作りにくいのも事実で、各社独自でのノウハウやスキルや重要視されているのが実情です。しかし、最近では端末側のハードウェア性能も向上し、今後、企業等が個人に持たせる携帯端末として携帯電話の業務アプリを考えた時には、やはりある程度きちんとしたフレームワークで作る必要があります。そうしないとアプリの標準化や移植性、バージョンアップができないですからね。ですから、Java MEのフレームや技術をしっかり知っておく必要があるわけです。
高倉では、そうしたJavaの知識や技術を身につけるには、どういう学習法を選択したほうが、効率的にスキルを習得できるのでしょうか?
澁谷端的に言えば、Sunのカリキュラムを受けていただくのが一番いいと思います。もっとも、一番普及しているJava SEなどは市販のテキストのほか、ウェブ上でもさまざまな情報が公開されていますので、ある程度、自分でも勉強できます。しかし、教育のプロフェッショナルであるわれわれベンダーのカリキュラムを受けることは、それなりの大きなメリットがあります。それは、どういうパスでどういう学習をすればもっとも効率的に習得できるかというノウハウがあるからです。特に新人教育の場合は、どこから手をつけたらいいのか判らないというケースも見受けられますので、われわれを活用する利点は大きいと思いますね。また教育担当の方からはよく、実践的な教育はできないかというご要望をいただきますが、実践的という内容はその会社や仕事内容の個々によって異なりますので、普遍的なカリキュラムとするのは難しいのです。われわれが教育するのはあくまでもフレームワークであり、パズルで言えば枠を提供するもの、実践はその中のピースにたとえられます。枠がなくてもいつかはピースも完成しますが、より時間と手間がかかります。つまり、まず基礎的な部分をしっかり固めてください、そのためには教育ベンダーを使った方が時間的効率も費用対効果も高いですよということです。
高倉そのスキルを証明するものがベンダーの認定資格ですが、Sun-Java 認定資格の有用性や意義というのは、どういうところにあるのでしょうか?
澁谷ベンダー認定資格批判でよくあるのが、実践的でないというものです。前述したように、Sunの認定資格はあくまでもフレームワークの学習を認定するもので、認定資格を取って枠ができましたよという意味です。その中に実際にピースを入れていくのが実践です。しかし、認定資格が実践的でないから有用性がないとは言えないと思います。ひとつは資格を取得する人のモチベーションの問題があります。資格を取得することは、Javaのテクノロジーにコミットして、より深く追求していくということであり、製品やテクノロジーを積極的に使っていくことになります。ですから、ベンダー側にもメリットがあり双方に有用性が高いと思います。もうひとつは、Sunの認定資格は、実際にシステムや業務で使っていただくJavaに合わせた資格体系になっていることです。ですから、今やっている仕事に直結した資格が取得できるということですね。
高倉確かに私も〈SJC-P〉を受験して資格を取得しましたが、「このプログラムをコンパイルして実行したらどうなりますか?」といったような、実際に自分でプログラムを組んだことがないと解けないような問題が多いですね。
澁谷Sunの認定試験の特徴は、実体験を想定したある程度経験のある方を対象としていることです。〈SJC-P〉だと、Javaのプログラミング経験1年以上といった感じです。ですから、認定資格は、ある程度は実践もできることを証明しているわけです。〈SJC-P〉はもっとも最初にできた認定資格で、Javaが登場した最初はプログラミング言語としての性格が強かったので、試験の内容もプログラミング言語としての文法の基礎や規則、約束ごとといった内容になっています。その〈SJC-P〉をベースとして、その上にウェブやクライアント・サーバ、モバイルなどのアプリケーション開発を想定した上位資格が設けられています。
高倉2005年の9月から、新しく〈SJC-A〉という認定資格がリリースされたわけですが、登場した背景にはどういものがあるのでしょうか?
澁谷ひとつは、Javaが2005年で生誕10周年を迎え大きく変化していることがあげられます。当初はJava言語と言われ、面白いプログラミング言語が出たという捉え方が一般的でしたが、今や3つのプラットフォームを持つコンピーティング環境へと進化しています。そこでコンピューティング環境になったJavaに対して、Javaテクノロジーを全体的に理解していただく認定資格とカリキュラムを作ろうということになったわけです。もうひとつは、Javaの大きなコンセプトにEoD(Ease of Development:開発のしやすさ)という考え方があって、プログラミングの文法上の細かい規則とかを知らなくても、フレームワークやツールを使って誰でも開発できるようにしようとしています。そういう人にとって必要なのは、Javaテクノロジー全体をきちんと理解することであり、そこで〈SJC-A〉が登場してきたわけです。
高倉そうすると、〈SJC-A〉はプログラマーだけでなく、もっと多くの人が対象になるわけですね。
澁谷そうです。今や、SEやITアーキテクトのようにプログラマー以外でJavaに関わっている人というのはものすごく多いのです。ですから、Javaテクノロジーを知らないと、お客様にも適切な提案を行うことができません。Javaで何ができるのか、将来的にどう有利なのかといった大きなビジョンの提示ができないのです。その意味では、IT部門のマネージャークラスの人にも取ってほしい認定資格ですね。またプログラマーにも、〈SJC-P〉を取得する前にコンピューティング環境としてのJavaやオブジェクト指向など、Javaの全体像をきちんと理解するという意味で、まず〈SJC-A〉を受けてほしいですね。
高倉すでに〈SJC-P〉を持っている人も受けた方がいいということですね。
澁谷そうですね。内容が違いますので、〈SJC-P〉を持っているから〈SJC-A〉はいらないということにはならないのです。また新入社員教育での活用や大学で教えるのにもふさわしい内容だと思いますね。すでに11月には翔泳社からSun教科シリーズとして『SUN教科書 Javaアソシエイツ(SJC-A)』が出ていますし、2006年1月には〈SJC-A〉学習カリキュラムもスタートします。
高倉新しく、エンジニア育成支援プログラム『トリプル・クラウン』も始まりましたが、開設された背景や内容について教えてください。
澁谷LPI-Japanとサン・マイクロシステムズ、日本オラクルの3社が共同で、エンジニアの育成を支援するものですが、どうしてこれをやるのかというと、ひとつはエンジニアのベンダー資格離れというのがあります。そこでJavaとデータベースは一緒にシステムを組んで動かすケースが多いので、オラクルさんと何か一緒にやりましょうと話し合ってきたわけです。まずは一緒にやるとどんな意義があるのか、本当にエンジニアの役に立つのかを検証しましょうということで、お互いのインストラクター同士でどういうメリットがあるかを確認しました。すると、Javaエンジニアもデータベースのことをきちんと理解して作らないと、システム全体としてのパフォーマンスも出ないし、弊害もあるので、互いに関連する基礎部分を理解する意義は大きいということがわかったのです。また、Sun-JavaとしてはマルチOSを掲げていますが、OSの関連するテクノロジーもやはり知っておいた方がいいということで、LINUXのLPI-Japanが加わったのです。
高倉具体的には、どういう支援の内容になるのでしょうか?
澁谷まずは3ベンダーの認定資格を取ってください、取った人には特典を出しますということで、受験チケットの優待や特性マウスパッドの提供、さらに3社合同での対象者向け取得支援セミナーの開催などを予定しています。対象となる資格は、LPIC Level 1、SJC-A、ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 10gの3資格です。これはあくまでも来年8月までに実施するプログラムで、その後については季節ごとのタイムリーな支援を計画しています。たとえば、3〜4月は学生さんや新入社員向けの支援策といった感じです。ちなみに1年前のデータですが、専門雑誌『@IT』の読者調査でも、「技術者はどんな資格を求めているのか」というアンケートで半数以上のエンジニアがSunとOracleの資格はクロスで取りたいと答えていますね。
高倉つまり、それだけ非常に両社の技術に関心があり、必要性も高いということですね。では最後に、これからJavaエンジニアを目指す方へのアドバイスは何かありますでしょうか。
澁谷まずJavaの応用範囲がかなり拡がっていますので、Javaの全体像をきちんと把握して、その上で専門性を高めていってほしいということです。その意味で〈SJC-A〉を受けることは有用であり、ぜひ取ってほしいですね。またJavaはどんどん仕様が新しくなっていますので、最新の状況を常に勉強し、理解しておくこと。もちろん、仕様はSunが勝手に決めるのではなく、コミュニティの中で話し合いながらみんなで決めていきますので、そうした動きもずっと見続けていただきたい。ですから、Javaテクノロジーに関わるエンジニアは楽しいと思いますね。どんどん変化して、新しいテクノロジーが出てくるわけですから。これはIT業界全体にも言えることで、学生さんにもよく言うのですが、ずっと勉強し続けているようなものですね。少なくとも、そうしたテクノロジーに興味や好奇心を持ち続けると仕事も楽しくなるのではないでしょうか。
高倉それは人生においても同じことが言えそうですね。どうもありがとうございました。